高性能なシャントリの是非。
2021年 12月 16日
艶々やサラサラ、しっとりなど【極上】の質感を一旦は思い浮かべるかもしれません。
しかし、当たり前ですが、お悩みは人それぞれです。
ボリュームを出したいのに、しっとりとしたシャンプー・トリートメントでは空回りです。
もちろんその逆も然り。
髪質別に目的に合ったシャントリを使用する必要があります。
私が思う理想的なシャントリは、ノーマルな質感を出せる物だと思っています。
新生毛というのは疎水部になりますので油を吸着しやすくなります。
そして、中間から毛先のダメージ部は親水毛と言って水と馴染みやすい部位になります。
仮に極上のしっとりを演出できるシャントリがあったとします。
なかなか美容室に行けずに新生部がかなり伸びている状態でしっとりタイプのシャントリを使用してしまうと間違いなく不具合が発生します。
また、ボリュームアップ系(いわゆるオーガニック系や石鹸シャンプーなど)の質感の【かなり】軽いシャントリをミドルレングス~ロングのそこそこダメージのある方に継続使用したとします。
カラーリングをした当初はシリコンなどのカラー剤に含まれる感触向上剤がしっかりと吸着している為、【ロングスタイル+ミドルダメージ】であってもある程度軽めのシャントリでも、質感を維持できるかと思います。
しかし、2ヶ月3ヶ月と経過していく中で、中間から毛先にかけてシャンプー・トリートメントの機能が徐々に追いつかなくなります。
あくまで極論を例に出していますが、特化した性能とは時に諸刃の剣になります。
これは一般的なサロンで行うシステムトリートメントなどにもいえることで、長期的な質感維持は顕著な劣化を招きます。
だからこそ中長期的に見て、コントロールできる範囲で劣化を遅延させていくスキームが必要になるんですね。
ご自宅で行うホームケアとは、365日のほとんどをご自身で行う事です。
私たち美容師が手の届かない範疇になります。
だからこそ【共有できる環境】が必要になるんですね。
ノーマルな質感のシャントリであれば、新生毛(健康毛)に適度なボリュームをコントロール出来ますし、仮に中間から毛先に引っかかりが生じるなどの問題があっても、アウトバスなどで対処もできます。