セルカラーの一番の怖さは【ムラ】にあります。点在しているハイダメージに対応するのは、
相当に熟練した技術が必要になります。
というのも、クセ毛の場合、一般的には縮毛矯正などを選択しますが、
何度も何度もセルフカラーをしている髪は、縮毛矯正薬の負担に耐える事が出来ず、
崩壊してしまう可能性もあります。
また、カラーリングを施すにしても、点在しているハイダメージ部は色が極端に入ってしまったり、
逆に入らなかったりと予測できないケースも出てくるんですね。
美容師はこのような時、何とかして直してあげようと試行錯誤するのですが、
ファーゴでは基本的には施術の変更、もしくはお断りする事もあります。
これは、プロとしての決断でして・・・
仮に、セルフカラーに求める価値観が、【気軽】【リーズナブル】といった物であれば、非常に危険です。
私達プロからすれば、セルフカラーの回数を重ねれば重ねるほど、毛髪は細くなり、
日頃のヘアケアにも影響するほど引っかかりや見た目にも問題が生じてくることが容易に予測出来るのです。
「私は髪が丈夫だから大丈夫!!」という方こそ、生え際やパート付近が少しでも細く感じたり、
地肌が見えるようになると、極端に不安になるのを何度も見てきました。
この様な理由から、仮に施術が可能だったとしても、営利目的を先行せず、
カットカラートリートメントなどで髪の体力の回復(主に新生部)を待ってから、
施術をします。
楽を求める事で、より大変な事になってしまう。
そして、見た目の印象まで大きく変わり、ご自身の価値観にまで影響するという、
僕にとってみれば憎っくきセルフカラーなのです(怒)
確かに、サロンに定期的にご来店するというのは、ある側面では家計にも影響します。
しかし、ご自身が美を強く意識すると言う事は、人生を彩る為の大切な心構えだと個人的には強く考えているのです。
ファーゴには真剣に髪に向き合う事で、何年もかけて綺麗を実現した方が多くいらっしゃいます。
途中で挫折しそうになったりするのは当たり前です。
人間の意思はそんなにコントロールの効くものではありません。
しかし、デザインというものは幅広く、一緒に探す事が出来ればご自身に合ったスタイルが最短で見つかるかもしれません。
要点はデザインを考える前の問題なのです。
デッサンする前の真っ白な画用紙が、バリバリに破れていては、描く前に画用紙の補修が必要です。
いくら技術力が高くても、数ヶ月先にはダメージバックを起こす可能性が高いでしょう。
ホームラン級の施術よりも、ヒットを連発する事が大事かと思います。
もちろん、日々のヘアケアが楽になるような(縮毛矯正も含めて)施術を選択する事は
サロンワークの中で当たり前にあります。
大切なのは相互関係です。
10年後も20年後も・・・そして30年後もヘアスタイルを任せて頂ける・・・
そんな美容師になりたいと強く思います。